認知症の親の会話に疲れたら|同じ質問への対処&気持ちの整え方

認知症の親の会話に疲れたら|同じ質問への対処&気持ちの整え方 理学療法士

また同じこと聞かれた…

優しくできない自分が嫌になる…

どう返せばいいのかわからない…

認知症の親との会話で、そう思ってしまう瞬間はありませんか?

親に優しく接したい気持ちはあるのに、うまくいかない日もあります。

この記事では、認知症の親が同じ質問を繰り返すときの具体的な対応方法と、 介護する人自身が心をすり減らさないためのポイントをまとめました。

まずは、できるところから。

完璧を目指さず、今日を乗り越えるためのヒントとして参考にしてください。

なぜ、親は同じ質問を繰り返すのか?

  • 記憶障害により、直前の出来事や会話を覚えづらくなるため
  • 不安や混乱で、何度も確かめたくなるため

認知症の方は記憶が残りづらく、自分が質問したこと自体を忘れてしまいます。

そのため、本人にとっては毎回「初めての質問」なのです。

また、記憶が曖昧になることで不安が強くなり、安心したいために周囲に確認する場合もあります。

同じ質問を繰り返す親の関わり方、ポイント4選

認知症の親との会話で、何度も同じ質問に答える日が続くと、心がすり減ってしまうことがあります。

しかし関わり方の工夫を知っているだけで、負担はぐっと軽くなります。

すべてを完璧にする必要はありません。

できるところから、無理なく生活に取り入れて行きましょう。

関わり方①:いつも聞かれる内容は “見える化” する

認知症の方は、視覚で確認できる情報を増やすと安心しやすいため、質問が減りやすくなります。

何度も質問してしまうのは、短期記憶が残りづらく「不安 → 確認 → 少し安心 → また不安」という気持ちの波が起きやすいからです。

具体例

  • カレンダーや時計を、見える場所に置く
  • 「病院の日」「デイサービスの日」など、予定をカレンダーに書く
  • よく聞かれる質問は、メモに書いて目に入るところに貼る
うり
うり

“見える化”は親御さんの安心につながり、介護する人が同じ質問に答える負担も減らせます。

関わり方②:短く、安心を伝える声掛けを意識する

認知機能が低下すると、数分前の会話や出来事を思い出しづらくなります。

思い出せないことは、不安や苛立ちとなり、その気持ちが「同じ質問」につながることがあります。

そのため、短い言葉で伝えるとお互いがストレスなく、会話が取りやすくなるでしょう。

また、会話が負担にならないために意識したいポイントは次の3つです。

ポイント①:親の言葉を、受け入れる

「そんなこと言ってないよ」「さっきも聞いたよ」などの否定する言葉は、認知症の方の不安や混乱を招くことがあります。

まずは「そう思ったんだね」「心配なんだね」と、気持ちを受け止める姿勢を意識しましょう。

NG例OK例ポイント
何回言えばわかるの?心配になったんだね感情を認める
またその話?そうなんだね、
教えてくれてありがとう
否定せず、一度受け取る
ダメ、無理あとで、やろうかいきなり否定しない
うり
うり

正しさよりも、安心感を伝えるイメージでOKです。

ポイント②:話した言葉を、やさしく繰り返す

相手の言葉をそのまま返すだけでも、「聞いてもらえた」という安心につながります。

また、感情の方向を合わせることで、安心する方も多いです。

NG例OK例ポイント
さっきも聞いたよ〇〇が気になってるんだね気持ちに寄り添う
何度、同じこと言うの?そうなんだね、〇〇なんだね否定せず、一度受け取る
うり
うり

完璧な返答ができなくても、否定せず「うん」と頷くだけで安心は伝わりますよ!

ポイント③:不安が続く場合は、話題をそっと変える 

不安や焦りが強いと、同じ質問が続きやすくなります。

その場合、ゆっくり他の安心できる話題へ誘導してみましょう。

無理に会話を続けるより、気持ちが切り替わって落ち着く場合があります。

例①:デイサービスに、行きたくない場合

親:「明日は、デイサービス?」

子:「そうだね。そういえば、さっき言ってた話だけど…」

例②:探し物で、不安になっている場合

親:「通帳どこ?」

子:「通帳、ここにあるよ。おいしいお菓子があるから、あっちの部屋で一緒に食べよう。」

うり
うり

他の話題を振って気分転換することで、同じ質問をされにくくなります。

関わり方③:人に相談、サービスを利用する

認知症の親との生活を、家族だけで抱えると負担が大きくなり、心も体もすり減ってしまいます。

頼れる専門職やサービスは、数多くあります。

まずは、できるところから少しずつ取り入れていきましょう。

サービス①:ケアマネジャー、地域包括支援センターに相談する

介護保険をすでに利用している方は、担当のケアマネジャーに相談しましょう。

デイサービスや訪問看護など、家庭の状況に合ったサービスを一緒に考えてくれる心強い存在です。

まだ介護保険を申請していない場合は、各市区町村にある地域包括支援センターに相談してください。

介護保険の申請手続きだけでなく、親御さんに必要な制度やサービスの情報提供も受けられます。

サービス②:介護サービスを利用する

介護サービスを受けられることで、介護のストレスを減らせます。

家族だけで介護を続けると、疲れや不調につながります。

専門職に頼ることで、介護の方法を学べたり、話を聞いてもらえる機会も増えるでしょう。

介護サービスには、施設に通って利用する「通所サービス」と、職員が自宅に来てくれる「訪問サービス」があります。

通所サービス

  • 1日利用できるところも多く、入浴やレクリエーションがある
  • 通所サービス利用中、家族は休んだり、買い物・通院など自分の時間に使える
  • 例:デイサービス、デイケアなど

訪問サービス

  • 短時間の支援が中心
  • 通うことが難しい方や、自宅でサービスを受けたい人におすすめ
  • 第三者が関わることで、会話の空気が和らぐこともある
  • 例:訪問看護、訪問リハビリなど

サービス③:見守りカメラの設置

                            画像出典先:楽天市場

一緒の空間にいるのはしんどいけれど、ひとりにするのは心配と思う方には、見守りカメラを設置するのも選択肢の一つです。

自宅内にカメラを設置すれば、「常にそばにいないといけない」という緊張感が和らぎ、気持ちに余裕が生まれやすくなります。

関わり方④:自分の心、体も大切にする

認知症の親との関わりは、想像以上にエネルギーを使います。

がんばりすぎると、共倒れになってしまう可能性もあります。

うり
うり

だからこそ、あなた自身を守るための工夫を取り入れていきましょう。

  1. その場を離れる
    • 気持ちが高ぶったら、席を離れて深呼吸。
    • 数分一人になるだけで、気持ちが落ち着きます。
  2. 誰かに気持ちを話す
    • つらい気持ちは、一人で抱えなくて大丈夫。
    • 身近な人やケアマネさんに、短く「しんどい」と伝えるだけでも、心の荷物が少し軽くなります。
  3. 完璧を目指さない
    • うまくできない日があるのは、当然。
    • 介護は毎日続くものだから、できなかったところではなく、できたことに目を向けてあげましょう。
  4. 自分の楽しみ・時間を持つ
    • 散歩や音楽鑑賞など、自分の趣味に没頭できる時間を設けましょう。
    • 「介護をしない時間」が、次の優しさのエネルギーになります。

まとめ

認知症の親が同じ質問を繰り返す時、ついイライラしてしまう自分を責めてしまうことがあるかもしれません。

でも、それはあなたが一生懸命向き合っているからこそ。

うまくできない日があっても、優しくできない瞬間があっても、それはあなただけではなく介護を経験した人みんなが通る道です。

できるときに、できることから。

それだけで、十分です。

どうか、自分のことも同じように大切にしてくださいね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました